


これまでの歯科治療は、多くの人が「痛くなったら行く」「違和感が出てきたらはじめて相談する」といった考え方で通われてきました。
中には「痛そうだからギリギリまで行きたくない」「日頃の不摂生が恥ずかしいから行けない」そんな方もいるかもしれません。
しかし、そうした場当たり的な治療はお口にとって良い結果を生みません。
なぜなら、歯は一旦削ると元通りに回復することがないからです。
そのため、今の歯科治療では「予防」がとても重視されています。
予防歯科はその名の通り「むし歯になるまえに予防する」ことをポイントにしています。
そのためにはどうするかというと、定期的に歯科医院へ通っていただき、細かく歯科医師がお口の状態をチェックするのです。
定期的にプロが診断することで、仮にむし歯があっても大きく削る必要のない状態から治療がスタートできたり、あるいは最初期のものであればまだ再石灰化が間に合うような場合もあります。
とにかく、削ってしまうと元には戻らないため、「削るようなことになる前に見つける」「削るとしても最小限に抑える」ことが重要で、間を空けずに診断をうけることで予想外の悪化を防ぐ可能性が大きく上がります。
定期検診では、むし歯のチェックはもちろん、歯ぐきの様子もチェックします。歯ぐきの様子を確認することで、歯肉炎や歯周病にかかっているかどうかわかります。
歯肉炎や歯周病は、一見するとすこし歯ぐきが腫れるだけにしか見えないためあまり重く取らない方が多い病気ですが、実際はむし歯よりも歯が抜ける原因になる、決して軽く見てはいけない病気です。
特に、他の病気を誘発する場合があることも近年知られてきており、
中には心臓病や糖尿病といった人生を左右しかねない重い疾患も含まれています。
もしむし歯などが見つかった場合は、適切に治療を行います。
その他、むし歯ではないものの歯磨きの仕方がよくない、といった場合にはブラッシングの指導を行ったり、
歯石ができてしまった場合は取り除いたりと、お口の中の健康を維持するために必要なことを状況に応じて行っていきます。